100万回の祈りをキミに




そして季節は移り変わって10月になった。

この前まで猛暑日続きで「暑くて溶けるー」なんて騒いでたのに、今ではたまにカイロが欲しくなるほど肌寒い日がある。


「ねぇ、怒られたら波瑠が責任とってね?」

「大丈夫。案外見つからないもんだから」

私は凪子を連れて夜の中学校にいた。


亜紀が前に忍びこんだ時と同じルートで正門を飛び越えて、今日の放課後に開けておいた窓で校内に侵入した。


「波瑠~オバケ出そうだよ……ってか防犯セキュリティとか鳴ったらどうするの?ピピーって」

「うちの学校のやつ壊れてるらしいよ」

「ええ?それはそれで問題じゃない?」

「はは。亜紀から聞いた話だから本当かどうか分からないけどね」


1回この夜の学校を経験している私は余裕で、へっぴり腰の凪子を連れて私は屋上へいった。

やっぱり風がスーッと冷たくて、私は屋上に〝あるもの〟を置いた。


「本当に見えるのかなぁ?」

「今日は天気悪かったしどうかな。でもキレイに見れるとしたらここしかないと思ってさ」


今日はオリオン座流星群が見れる日。

私は天文部から望遠鏡を持ってきて、ここで観察しようと決めていた。

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