100万回の祈りをキミに





「ハァ……ハァ……」


凪子とオリオン座流星群を観測しに行った次の日の朝。

亜紀が突然倒れて病院に運ばれたと連絡があった。それは〝北野台総合病院〟

ここら辺じゃ一番大きな病院で、なんとなく胸騒ぎがした。


「――亜紀っ!」

私は急いで亜紀がいる病室に駆けつけた。するとすぐに他の患者さんに「しー」と注意されてしまい、私は軽く頭を下げた。

病室は4人部屋で、右側の窓際だけが全てカーテンで覆われていた。病室は206号室で間違いないし、いるとすれば亜紀はあそこにいるはず。

おそるおそる淡い黄色のカーテンを開けると、布団からは頭の先しか見えず、すっぽりとうずくまっていた。


「あ、亜紀……?」

もしかして寝てる?それとも横にならないとダメなほど具合がわるいの?

震える指先で亜紀の体に触れようとした時。

突然バッ!と布団がめくり上がり、ビックリして思わず「きゃー」と大きな声を出してしまった。


「あ、ごめんごめん。母さんから波瑠に連絡しておいたって聞いてさ。そろそろ来る頃かなって思ってたから驚かせようと……」

「……っ、亜紀のバカ!」

「ごめんなさい」

「じゃなくて。倒れたって聞いたからもう心配で心配で……」


亜紀の顔を見たら安心して涙が出た。

それを亜紀が優しい眼差しで拭って、亜紀がなにかを言いかけた瞬間。相部屋の患者さんから〝静かに〟という合図の咳払いが聞こえて私たちは休憩室にいくことにした。

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