100万回の祈りをキミに
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次の日。亜紀のことが心配で学校を休むと言ったらお母さんに叱られて。渋々学校に来たけどずっと亜紀のことが気掛かりで授業どころじゃない。
「亜紀先輩、大丈夫なの?」
「それがまだ連絡がこなくて……」
掃除の時間中も私はスマホを握りしめたまま。
検査は午前中にやってお昼過ぎには終わると言っていたのに、亜紀からのメールはない。【どうだった?】と聞いても返信はないし……。
「検査終わったら退院できるんでしょ?」
「うん」
「じゃ、きっと今頃は家に帰って寝てるんじゃない?」
病院のベッドは寝づらそうだったし、慣れない検査で疲れただろうから凪子のいうとおり寝ちゃったのかな。
でも亜紀なら真っ先に【なんともなかったよ】ってメールのひとつやふたつ送ってくれるのに。
今日学校が終わったら亜紀の家に行ってみようかな。
結局それから放課後まで亜紀からはなんの連絡もこなくて、【今から家に行ってもいい?】と帰り際に再度メールをすると、今度はすぐに返事がきた。
【まだ病院にいる】
それは亜紀らしくない顔文字も絵文字もないシンプルな文でだった。
……まだ病院って……退院できるんじゃなかったの?それともにこれからとか?
またざわざわっと嫌な予感がして、私はすぐに病院に向かった。