100万回の祈りをキミに
「亜紀。笑顔じゃない日もあっていいよ。私は亜紀の手を握って、ツラい時は抱きしめて、亜紀の傍にいたい。ずっとずっと傍にいたい」
ポロポロと涙が落ちる。
先に泣いたのは私じゃなくて、亜紀だった。
「……波瑠……。俺たぶん波瑠を置いて死ぬと思う」
亜紀の弱さ。
何度この言葉を繰り返して枕を濡らしたんだろう。
「自分の体のことは自分がよく分かる。きっと俺は限られた時間しか残ってない。波瑠にツラい現実を見せるだけかもしれない。それでもいいの?」
「うん」
「本当にいいの?」
「うん」
私は亜紀を抱きしめた。
たかが子供の恋愛だって、大人は思うかもしれない。
だけど私にとってこれは一生一度の恋だよ。
こんなに愛しくて仕方ない気持ちはを亜紀は私にプレゼントしてくれた。
好き、好き、亜紀が好き。
「亜紀、後悔しないようにたくさん話そう。たくさん会って、たくさんたくさん笑ったり泣いたり怒ったりしよう」
ふたりでいれば、きっとどんなことも乗り越えられる。
亜紀は私を強く抱きしめ返してまた泣いた。
お互いぐちゃぐちゃになるまで泣いて、ふたりで笑った。