100万回の祈りをキミに
そこから私はプツリと記憶がない。
亜紀のお通夜にもお葬式にも行ったはずなのに全く覚えてなくて。
ただご飯を口に入れて、飲み物を流しこんで、息をしているだけ。
亜紀が生きろと言ったら、それが亜紀の願いだったから、そうしなきゃって必死でもがいてた。
今おもえば私はなにひとつ受け入れられてなかったのかもしれない、
亜紀がもういないこと。
亜紀に触れられないこと。
亜紀に会えないこと。
亜紀が骨になったこと。
だって14歳だった私には、背負いきれないぐらい悲しい現実だったから。
そして私は亜紀がいなくなって、1年4か月後の春に誠陵高校に入学した。
キミと同じ制服を着て、キミが通えなかった学校に向かって、キミと同じ3組で過ごしている。
12月、もうすぐ亜紀の命日がやってくる。