100万回の祈りをキミに
・未来へ
▽
――キーンコーンカーンコーン。
学校にチャイムが鳴り響く。
「明日からの冬休み、事故や怪我だけには気をつけろよー!あとお年玉は無駄使いしないで有意義に使うように。じゃ、解散」
終業式とホームルームが終わり、早坂先生の言葉でみんな一斉に席から立ち上がった。
「藍沢さんばいばい~!冬休み暇な時は遊ぼうね」
安藤さんやその他のクラスメイトたちはこのまま遊びにいくらしく、楽しそうに教室を出ていった。
「波瑠~。なんか今日バド部のミーティングがあるんだって。だからまた一緒に帰れないよ。ごめんね」
凪子が廊下からひょっこりと顔を出した。
凪子とはあれから今まで以上に仲良しで、凪子の彼氏の相談や来週には一緒にサッカーの試合を応援しにいく約束をした。
胸の内を全部じゃないけど話せるようになって。心は少しだけ軽くなった。
だけど私にはまだやらなきゃいけないことがある。
「よう」
帰り道。バス停に着くと夏井がいた。
――『ちゃんと受け入れろ。藍沢波瑠』
あの屋上で夏井に怒られて、私も怒って。
バカだし、うるさいし、イライラすることばかり言うし。凍りついた私の心を思いきり叩き割るようなヤツで。
だけど感謝してる。