100万回の祈りをキミに
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足に違和感を感じたのは11秒96という自己最高タイムを出した部活中だった。
いつもなら100メートルなんて朝飯前なのに、走り終わったあと太ももにものすごくダルさを感じた。
「なんか歩き方おかしくない?」
朝練が終わって教室に戻った時はまだ平気だった。
だけど2限目の授業が終わったぐらいからズキズキと痛みだして、左足がうまく上がらないから凪子にすぐ指摘されてしまった。
「大丈夫?痛いの?」
「うーん」
「保健室行きなよ。一緒に付いていってあげるから!」
保健室に行くほどのことじゃないと思うけど、凪子に半ば強制的に手を引かれてしまった。
「走ってる時に捻(ひね)ったりした?」
保健室の先生はすぐに私の足を見てくれた。足首やその周辺が腫れたりしてないか見てくれたけど特に異常はない。
「捻ってないです。歩いたりするとちょっとだけ痛い感じで……」
自分でも上手く説明できないけど、先生が触った足や足首が原因じゃない気がする。どこが痛いとかどこが気になるとかじゃなくて、左足全体になんとなく違和感があるような。
「先生は医者じゃないから湿布ぐらいしか貼れないけど、病院に行く?早退届け書いてあげるよ」
「いや、我慢できない痛みじゃないしたぶん大丈夫です」
「そう?痛みが増すようならムリしちゃダメよ?」
「はい」
とりあえず私は教室に戻ることにした。