100万回の祈りをキミに
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次の日。私は学校を休んだ。
痛み止めのおかげかあのあとは痛みが和らいで眠ることができた。そして朝一番に病院に行ってレントゲンや色々な検査をした。
入院すらしたことがない私がまさかこんな大がかりな検査をするとは思わなかった。
レントゲンの結果はすぐに出て、お母さんと私は先生に呼ばれた。
「これ、右と左の大腿骨(だいたいこつ)。股から膝にある骨でふたつ並べるとよく分かるんだけど、ここ見て」
ボードに貼られたレントゲンを先生は指さした。
「右のレントゲンと比べて左の股関節から大腿骨の付け根の幅が狭いのが分かる?」
「……なんとなく」
自分の骨なんて見たことないからなんとも言えないけど、言われると確かに右と左のレントゲンは同じ箇所なのに違う。
「これはね、臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)というものなんだけど、藍沢さんの場合は先天性だね」
「先天性って?」
「つまり生まれつき左側のこの部分の骨が狭いってこと」
それが痛みの原因?
でも生まれつきと言われても今までこんなことなかったし……。
「あの、それは治るものなんでしょうか?」
隣で一緒に聞いていたお母さんが心配そうに聞いた。