100万回の祈りをキミに
悪い人ではないと思う。
今だって場を盛り上げるためにアニソン入れて熱唱してるし。まぁ、そういうところで私は一線を引いてしまうんだけど。
打ち上げは2時間で終わった。
二次会に行く人もいるらしいけど私は当然不参加。1日中炎天下にいて疲れたし早くお風呂に入りたい。
「藍沢」
ボーリングに行く人と帰る人とで分かれて、方向が同じだから私はボーリング組に交ざってしまっている。
その中には夏井もいて、声をかけられた。
「二次会いかねーの?」
「行かない。帰るよ」
「今回の集まりはすんなり来たんだな。俺にはそういうの誘わなくていいとか宣言したくせにな」
その嫌味のある言い方はなんなのか。
……けっこう根にもつタイプなんだろうか。
「べつに。断れなかっただけ」
「ふーん。そっか」
そしてなぜか夏井は嬉しそうな笑みをこぼした。やっぱり夏井はよく分からない人だ。
ボーリング組の人たちは早くやりたいのか歩くスピードが速くて、ゆっくり歩いていた私と夏井は完全に置いてきぼり。
私は帰るから構わないけど、夏井はみんなと一緒に行けばいいのに私の歩く歩幅に合わせてる感じがする。