100万回の祈りをキミに



「先輩、ハンバーガーとか食べるんですね」

私たちが入ったのはファーストフード店。

日曜日でしかもお昼時の店内はすごく混んでいて、端っこの小さなテーブルしか空いてなかった。


「ん?普通に食べるよ。俺ハンバーガー大好きだもん」

私は普通のセットを頼んで、先輩はセットの他にもうひとつハンバーガーを頼んでいた。

なんだか食べてる姿も新鮮でいちいち見てしまう。


「波瑠は少食?」

「いえ、まだ緊張がとけなくて。すいません……」

「波瑠はすぐ謝るね。そんなそよそよしくしないでよ」


だって目の前に学校で一番人気者の先輩がいるんだよ?普通じゃいられない。

それに先輩は気づいてないけど、さっきからチラチラと店内にいる女の子が先輩のことを見ている。

コソコソと耳打ちをして、用もないのにわざと通りすぎたり。一緒にいるのが私でごめんなさいって感じだよ。


やっぱり先輩は誰の目から見てもカッコいいんだなぁ……。こんなにモテる人なのに彼女がいないのが不思議なくらい。


そしてハンバーガーを食べ終わる頃にはプラネタリウムの時間になっていて、私たちは移動することにした。

< 59 / 258 >

この作品をシェア

pagetop