100万回の祈りをキミに



「……あつ……」


外に出ると後悔するほどの暑さだった。

Tシャツとショートパンツという涼しい格好なのに涼しさなんてどこにもない。むしろ露出してる肌がジリジリと焼けていく。

今年の夏は異常なほどの猛暑らしいし、地球の水が枯れるんじゃないのってぐらい暑い……。


「ハァ……」

やっとキヨさんの家に着いた私はスイカを抱えてインターホンを押した。

ってかスイカ重すぎ……。なんで徒歩で来ちゃったんだろう。自転車を使えば良かった……。

暫くしてガチャリと玄関の鍵が空いた。


「あら、波瑠ちゃん!」

「これスイカです。お母さんから届けるように言われて」

「あらあら。暑かったでしょ?上がって」

久しぶりに会うキヨさんはとても元気そうで、忘れられてないか心配だったけどちゃんと私のことを覚えていた。


キヨさんの家はとてもキレイにしてあって、オシャレな食器やグラスがガラスケースに飾られていた。

キヨさんは掃除好きだってお母さん言ってたし、足が悪くてもやらずにはいられないんだろうなぁ。


「はい。麦茶」

「ありがとうございます」

喉がカラカラだったから嬉しい。


「それにしても波瑠ちゃん大きくなったわね。最後に会ったのはいつだったかしら?」

「うーん。たしか中学生になる前だったような……」

「今いくつ?」

「16歳の高校1年生です」

「あらあら~」

まるで孫を見るような眼差し。

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