100万回の祈りをキミに
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「え?亜紀先輩とまた星を見にいくの?」
プラネタリウムのことを凪子に話して、また遊ぶ約束をしたと報告したら教室なのに大声を出されてしまった。
「見にいくっていうか先輩のお父さんが働いてる天文台にね」
あの日から先輩と私は毎日メールのやり取りをしている。
最初は約束のことだったり、星のことだったり、業務メールみたいな内容だったけど最近は他愛ない会話も増えて、さっきも【お腹すいたー】と先輩からメールがきていた。
そんなやり取りが増えたからか、前より先輩の存在が近く感じる。
「波瑠ニヤけすぎ」
「そんなことないよ」
陸上部にはちゃんと退部届けを出して、部活の仲間たちにもしっかり挨拶することができた。
部室の前で膝を抱えていた出来事が嘘のように心もスッキリとしている。それはきっと亜紀先輩が励ましてくれたり、楽しいことを見つける手助けをしてくれたからだと思う。
「今度天文学部の見学行くんでしょ?私も一緒に行くからね」
「本当?凪子ありがとう」
「まぁ、波瑠が心配だし?」
「とか言って凪子も天文学部気になってるんでしょ?」
「あ、バレた?実はバト部の次に入部したかった部活だったんだよね」
もちろん私の中で凪子の存在も大きい。
凪子とならこの先もずっと友達でいられる気がする。