100万回の祈りをキミに
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そして週末、また私はこの前と同じ場所で亜紀先輩と待ち合わせをした。プラネタリウムの時は早く着きすぎて気を遣わせちゃったから今日は時間ぴったりに着いた。
「波瑠」
すでに先輩は噴水の前で待っていた。
先輩からはオーラのようなものが出ていて背が高いから立っているだけで目立つ。
それなりにオシャレもして可愛く見せようとしてるけど限界があって、先輩をチラチラ見ている通りすがりの女の子のほうがよっぽど可愛い。
そういえば、この前親しげにしていた女子の先輩もすごいキレイな人だったなぁ。「麗花(れいか)」って呼ばれてたし名前もオシャレだ。
「なんか今日の波瑠ぼーっとしてない?」
気づくと先輩が私の顔を覗きこんでいた。
「そ、そんなことないです!すいません」
「あ、また謝った。次言ったら罰ゲームね」
「ええ?罰ゲームってなんですか?」
「はは、内緒」
先輩はすぐ私を笑顔にしてくれる。
周りからの目を気にしちゃうけど、それでもこうして笑い合ってる時は恋人同士に見られたいなぁ、なんて思ったり。
図々しいって分かってるけど、それでも学校の先輩、後輩以外の関係に見られていたい。
――『波瑠は亜紀先輩のことが好きなんだよ』
ふっと凪子の言葉を思い出した。
私は先輩が好き……?
そう思ってもいいのだろうか。