嫉妬の蜜は甘くてとろける
「だけど…授業中に私の顔を見てる人なんていないよ?」



「俺は見てたけど?」



「そ、そうなの?えへへ…」



照れる…



「あと瀬川も見てた。」



「え…瀬川くん?そうなんだ…?でもたまたまでしょ?」



「たまたま?何度もチラ見してたよ。」



「へ?そう…なの?そっ…か…。それは…えっと…ごめんなさい…。気を付けるね…?」



瀬川くんが私の方を見てたとしても
私を好きだとか気になってるとかそういうのは
ないと思うんだけどな。



瀬川くんとはほとんど話したことないし。



でも
そんな理不尽な嫉妬も嬉しい。



「うん。気を付けてね。」



そう言って私の髪の毛を撫でる風翔くんが愛しい。



「私は風翔くんだけが、大好きだよ。」



「俺も、愛理だけを愛してる。」





甘くてとろけそう。



蜜を与えてくれる蜘蛛の巣に
わざと引っかかって飛び立てなくなった蝶のよう。





それからまた私たちはキスを繰り返す。










end.













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