食わずぎらいがなおったら。
7月
田代さんの異動
日曜に久々に出た弓道の大会は、散々だった。やっぱり精神的にへこんでるとダメだなーと、反省しながら会社までの坂を登る。
今日から7月。でも夏の天気じゃないな。涼しくていいけど、梅雨の雨でベタベタする。
開発フロアに入ると、やけにざわついていた。武田が私を見つけてさりげなく寄ってくる。
「どうしたの?トラブル?」
「田代さんが異動。開発部長だって」
「うそ。今?」
「今ってなんだよ」
武田が厳しい目を向けてくる。
「お前、今更またじたばたするなよ?」
声を潜めて固い声で言う。何言ってんの、そんな話じゃないよ。ムカッと来て無言で見返した。
「なんですか、そこ、朝からいちゃついて。奥さんに言いつけますよ、武田さん」
何をどうみたらいちゃついてるのか、沢田が明るく割り込んできた。
「田代さんってびっくり人事ですよね。管理部立て直した功績あるっていってもね。でもこれでちょっとましになりますかね」
しばらく部長が空席になっていて、仕事がやりにくい形ではあった。開発と営業がいつも揉めていて、開発部長を営業出身者にしようという動きもあるという話も聞いた。
そんなの無茶だけど、上の人の考えることは謎だ。
どちらでもなく、管理部から部長を出すというのは、言われてみればありうる折衷案。特に田代さんは元々開発だから、営業から来られるよりもずっとうまくいくだろうし。
でも、なんで今?
田代さんは3年近く前に管理部に移ったきり、もう開発には戻らないのではと言われていたから、割とみんなも驚いてザワザワしていた。
私は、戻ってくると信じてたけど。
今日から7月。でも夏の天気じゃないな。涼しくていいけど、梅雨の雨でベタベタする。
開発フロアに入ると、やけにざわついていた。武田が私を見つけてさりげなく寄ってくる。
「どうしたの?トラブル?」
「田代さんが異動。開発部長だって」
「うそ。今?」
「今ってなんだよ」
武田が厳しい目を向けてくる。
「お前、今更またじたばたするなよ?」
声を潜めて固い声で言う。何言ってんの、そんな話じゃないよ。ムカッと来て無言で見返した。
「なんですか、そこ、朝からいちゃついて。奥さんに言いつけますよ、武田さん」
何をどうみたらいちゃついてるのか、沢田が明るく割り込んできた。
「田代さんってびっくり人事ですよね。管理部立て直した功績あるっていってもね。でもこれでちょっとましになりますかね」
しばらく部長が空席になっていて、仕事がやりにくい形ではあった。開発と営業がいつも揉めていて、開発部長を営業出身者にしようという動きもあるという話も聞いた。
そんなの無茶だけど、上の人の考えることは謎だ。
どちらでもなく、管理部から部長を出すというのは、言われてみればありうる折衷案。特に田代さんは元々開発だから、営業から来られるよりもずっとうまくいくだろうし。
でも、なんで今?
田代さんは3年近く前に管理部に移ったきり、もう開発には戻らないのではと言われていたから、割とみんなも驚いてザワザワしていた。
私は、戻ってくると信じてたけど。