食わずぎらいがなおったら。
買い物一緒にするなんて初めてだけど、出産祝いを2人で選ぶのは楽しかった。
平内は意外と赤ちゃんグッズを興味深げに見ていた。
なんだこれ無駄に高いな、とか呟いてるけど。
「お姉さんちには?」
「3人目だからなんでもあるの。何かあげるなら健太にかな。お兄ちゃん色々大変だから」
「いいよな。健太には甘えてるもんな」
「逆でしょ。甘えられてるの」
「わかってないな」
ぽんっと頭を叩いて、レジに向かう。
そういうことするのがまた、意味があるのかないのか、わけわかんないんだってば。
送り先を記入して、支払いを済ませたところで、後ろから声を掛けられた。
「香?」
振り返ると、大きくなったお腹を揺らしたリサがいた。
このお店を教えてくれたのはリサだったけど、今日会うとは思ってなかったよ。
「リサ!何、出産準備?」
「そろそろね、子供部屋考えようかと思って、今日は下見。会社の人、もう赤ちゃん生まれたの?」
「うん。今お祝い送ったところ。ありがとね、いいの見つかったよ」
リサ、このお腹でまだ仕事してるんだっけ、頑張るなぁ。
「長谷川先輩は?」
言った途端に、旦那さんの長谷川先輩が通路の向こうから歩いてくるのが目に入った。相変わらず目立つ人だな。
リサと話している私に気づいて、軽く驚きつつ手を挙げる。
「よう。会う約束だった? 聞いてないよな、俺」
「違うの、偶然」
リサが嬉しそうに答える。
先輩も微笑み返してから、私の背後に目をやった。
「香ちゃんはデート?」
じゃなくて、と言おうとしたところにリサが口を挟む。
「あ!平内くん?」
平内が驚いているのが気配でわかった。
ちょっとリサ、何言い出すの。名前知ってるの変でしょ。ダメって目で訴えたけど、気づいてくれない。
「つきあってるんだ、よかったね、香」
「なんかこないだ言ってたな」
「そうそう、香が珍しく恋愛相談してきたって言ったでしょ」
ちょっとやめて、黙って。
「ちょっと急ぐから、また今度ね、リサ。行こう」
後ろを向いて、平内の服を引っ張る。
「1回やったら好きになっちゃったってやつな」
ちょっと!
「そんな言い方してないし!」
一瞬だけ振り返って思わず言う。
先輩が後ろで大笑いしてるのが聞こえた。
わざとでしょ。かっこいいからってなんでも許されると思って!
平内は意外と赤ちゃんグッズを興味深げに見ていた。
なんだこれ無駄に高いな、とか呟いてるけど。
「お姉さんちには?」
「3人目だからなんでもあるの。何かあげるなら健太にかな。お兄ちゃん色々大変だから」
「いいよな。健太には甘えてるもんな」
「逆でしょ。甘えられてるの」
「わかってないな」
ぽんっと頭を叩いて、レジに向かう。
そういうことするのがまた、意味があるのかないのか、わけわかんないんだってば。
送り先を記入して、支払いを済ませたところで、後ろから声を掛けられた。
「香?」
振り返ると、大きくなったお腹を揺らしたリサがいた。
このお店を教えてくれたのはリサだったけど、今日会うとは思ってなかったよ。
「リサ!何、出産準備?」
「そろそろね、子供部屋考えようかと思って、今日は下見。会社の人、もう赤ちゃん生まれたの?」
「うん。今お祝い送ったところ。ありがとね、いいの見つかったよ」
リサ、このお腹でまだ仕事してるんだっけ、頑張るなぁ。
「長谷川先輩は?」
言った途端に、旦那さんの長谷川先輩が通路の向こうから歩いてくるのが目に入った。相変わらず目立つ人だな。
リサと話している私に気づいて、軽く驚きつつ手を挙げる。
「よう。会う約束だった? 聞いてないよな、俺」
「違うの、偶然」
リサが嬉しそうに答える。
先輩も微笑み返してから、私の背後に目をやった。
「香ちゃんはデート?」
じゃなくて、と言おうとしたところにリサが口を挟む。
「あ!平内くん?」
平内が驚いているのが気配でわかった。
ちょっとリサ、何言い出すの。名前知ってるの変でしょ。ダメって目で訴えたけど、気づいてくれない。
「つきあってるんだ、よかったね、香」
「なんかこないだ言ってたな」
「そうそう、香が珍しく恋愛相談してきたって言ったでしょ」
ちょっとやめて、黙って。
「ちょっと急ぐから、また今度ね、リサ。行こう」
後ろを向いて、平内の服を引っ張る。
「1回やったら好きになっちゃったってやつな」
ちょっと!
「そんな言い方してないし!」
一瞬だけ振り返って思わず言う。
先輩が後ろで大笑いしてるのが聞こえた。
わざとでしょ。かっこいいからってなんでも許されると思って!