せめて、もう一度だけ
歩いてゆく
スマホには、田辺さんの連絡先が登録されていた。
『明日10時に、コンビニ駐車場な。
歩いて来いよ』
メッセージも残されていた。
お礼なんて、別にいいのに。
でも、なぜか、行きたい気持ちがあった。
この時はまだ、田辺さんを好きでも嫌いでもなかったけど。
きっと、諒との単調な生活から、抜け出したかったのかもしれない。
諒が会社へ行っている間に家事をすませておけば、あとは自分の時間だから。
今までは、友達もいないこの土地で、ほぼ引きこもり状態だったから。
翌日。
私はいつも、諒より30分は早く起きて身支度を整え、朝食を準備する。
だけど今朝は、1時間も早く目覚めてしまった。
昨日寝る前に考えた服を着て、カーテンを少し開けて外をのぞいた。
いい天気。
田辺さん、どこに連れていってくれるんだろう。
天気しだいってことは、外なのかも。
いつもの時間に諒を送り出す。
「いってらっしゃい」
「いってきます。
あ、今日は送別会だから、夕飯いらないから」
金曜日だし、年度末だし、諒もたまには飲んでくることもある。
「わかった」
今晩、一人なんだ。
遅く帰ってきても、大丈夫なんだ。
そこまで考えて、田辺さんと遅くなるわけないのに、なんで意識してしまうのかわからなかった。
『明日10時に、コンビニ駐車場な。
歩いて来いよ』
メッセージも残されていた。
お礼なんて、別にいいのに。
でも、なぜか、行きたい気持ちがあった。
この時はまだ、田辺さんを好きでも嫌いでもなかったけど。
きっと、諒との単調な生活から、抜け出したかったのかもしれない。
諒が会社へ行っている間に家事をすませておけば、あとは自分の時間だから。
今までは、友達もいないこの土地で、ほぼ引きこもり状態だったから。
翌日。
私はいつも、諒より30分は早く起きて身支度を整え、朝食を準備する。
だけど今朝は、1時間も早く目覚めてしまった。
昨日寝る前に考えた服を着て、カーテンを少し開けて外をのぞいた。
いい天気。
田辺さん、どこに連れていってくれるんだろう。
天気しだいってことは、外なのかも。
いつもの時間に諒を送り出す。
「いってらっしゃい」
「いってきます。
あ、今日は送別会だから、夕飯いらないから」
金曜日だし、年度末だし、諒もたまには飲んでくることもある。
「わかった」
今晩、一人なんだ。
遅く帰ってきても、大丈夫なんだ。
そこまで考えて、田辺さんと遅くなるわけないのに、なんで意識してしまうのかわからなかった。