せめて、もう一度だけ
だけど、避妊していないのに、子どもはできなかった。
結婚して2年たった頃、産婦人科で相談して、基礎体温を測ってタイミングを合わせるように言われた。
言われた通りにやってみたけど、やっぱり子どもはできなかった。
諒は最初は協力的だったけど、だんだん嫌がるようになってきた。
「はい今日はする日です、なんて言われても、その気にならないよ」
と言われてからというもの、お互いに気持ちが向かなくなってしまった。
そして最近では、諒の気の向いた日に抱かれるだけで、それも月に1回あるかどうかだ。
そんなんで、子どもができるわけがない。
そもそも、本当に子どもが欲しいんだろうか。
そんな根本的なことすら、わからなくなってきていた。
今日も洗濯して掃除して、お昼までの一人の時間。
ため録りしてるドラマを観るか、新聞を読むか。
新聞を手に取ったら、折り込みチラシがバラバラと床に落ちた。
「あーあ、もう」
チラシを拾い上げながら、普段は見ない求人広告が目についた。
週末でもないのに求人広告チラシが入っているのは、この会社が単独でチラシを作ったからだろう。
なんとなく読んでみると、近所の運送会社が事務パートを募集していた。
結婚して2年たった頃、産婦人科で相談して、基礎体温を測ってタイミングを合わせるように言われた。
言われた通りにやってみたけど、やっぱり子どもはできなかった。
諒は最初は協力的だったけど、だんだん嫌がるようになってきた。
「はい今日はする日です、なんて言われても、その気にならないよ」
と言われてからというもの、お互いに気持ちが向かなくなってしまった。
そして最近では、諒の気の向いた日に抱かれるだけで、それも月に1回あるかどうかだ。
そんなんで、子どもができるわけがない。
そもそも、本当に子どもが欲しいんだろうか。
そんな根本的なことすら、わからなくなってきていた。
今日も洗濯して掃除して、お昼までの一人の時間。
ため録りしてるドラマを観るか、新聞を読むか。
新聞を手に取ったら、折り込みチラシがバラバラと床に落ちた。
「あーあ、もう」
チラシを拾い上げながら、普段は見ない求人広告が目についた。
週末でもないのに求人広告チラシが入っているのは、この会社が単独でチラシを作ったからだろう。
なんとなく読んでみると、近所の運送会社が事務パートを募集していた。