せめて、もう一度だけ
遼くんの部屋のインターホンを押すと、ドアがゆっくり開いた。


数日会っていなかっただけなのに、遼くんの顔を見たらそれだけで嬉しかった。


「遼くん、ごめ・・・」


謝りかけた私を、遼くんは強く抱きしめた。


私の背中でドアが閉まったのと同時に、お互いが唇を求めあった。


とろけるような、激しいキス。


「俺、ミキを奪いたい」


遼くんはそれだけささやくと、私を横抱きにしてベッドへ運んで寝かせてくれた。


強い言葉とは反対の優しい動作に、私はしびれてしまった。


玄関に置いてきてしまったサンドイッチに保冷剤を入れてきて良かった、と冷静な考えが一瞬浮かんだけど、いとおしい遼くんの甘いキスで、頭の中は遼くんでいっぱいになった。


私の手を握った遼くんは、


「指輪はずしたんだな」


って、気づいてくれた。


「うん、必要ないから」


私の首筋にキスしながら、遼くんは、


「マジでうれしい」


と言って、私の体の全部にふれた。


私も、遼くんのすべてを確認するように、優しくなでた。



ひとつになった時。


私には、遼くんしかいないって、思ったんだ。



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