せめて、もう一度だけ
ふたりとも裸のまま、いつまでもベッドで他愛ない話をしてた。


昨日みたテレビの話。


一緒に行ってみたい場所。


食事したいお店。


「俺は、ミキがいるだけでいいんだけどさ」


唐突な言葉に驚いたけど、素直に嬉しかった。


「私も、ここで遼くんと暮らしたい」


「こんなとこでいいわけ?」


「うん、一緒にいられるならどこでもいい」


「このまま、ミキをさらっちゃいたいけどさ、やることやんなきゃダメだからな」


「・・・そうだね」



どんなに楽しく過ごしていても。


結局は、ここにたどりついてしまう。


『離婚するまでは、一緒になれない』


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