せめて、もう一度だけ
洗濯して、掃除して、買い物して、ごはん作って食べて、お風呂入って、眠って。
みんなが毎日繰り返していること。
そんな、当たり前の生活を、私は遼くんと送りたい。
何年も一緒にいれば、ケンカもするだろうけど。
諒との生活より、ずっと楽しいと思えるんだ。
「私は、遼くんと一緒に暮らしたいだけだよ」
「俺も、ミキを幸せにしたい」
「早く、そういう日がくるといいね」
「俺、意外と気が長いから」
「ほんとかなー」
「信じてないな」
「だって、そういうイメージないから」
「だから『意外と』って言ったろ?」
そこで、お互いに吹き出してしまった。
遼くんは若いし、茶髪だし、少しチャラい見た目だし。
でも、仕事ぶりや私に対する態度を見てたら、根は真面目なんだと思う。
背が高くて、線は細いけど、適度な筋肉で力が強くて。
切れ長の目で見おろされると、ドキドキする。
配送ミスや破損も聞いたことないし、時間にもルーズじゃない。
私を抱きしめる優しい腕も。
たくましい胸も。
少しクセのある髪も。
私よりずっと大きい手も。
「ミキ」って呼ぶ、低い声も。
ぜんぶ、いとおしい。
私の気持ちは走り出して、どんどん加速していった。
これから、急ブレーキをかけなきゃいけないことに、まだ気づいていなかった。
みんなが毎日繰り返していること。
そんな、当たり前の生活を、私は遼くんと送りたい。
何年も一緒にいれば、ケンカもするだろうけど。
諒との生活より、ずっと楽しいと思えるんだ。
「私は、遼くんと一緒に暮らしたいだけだよ」
「俺も、ミキを幸せにしたい」
「早く、そういう日がくるといいね」
「俺、意外と気が長いから」
「ほんとかなー」
「信じてないな」
「だって、そういうイメージないから」
「だから『意外と』って言ったろ?」
そこで、お互いに吹き出してしまった。
遼くんは若いし、茶髪だし、少しチャラい見た目だし。
でも、仕事ぶりや私に対する態度を見てたら、根は真面目なんだと思う。
背が高くて、線は細いけど、適度な筋肉で力が強くて。
切れ長の目で見おろされると、ドキドキする。
配送ミスや破損も聞いたことないし、時間にもルーズじゃない。
私を抱きしめる優しい腕も。
たくましい胸も。
少しクセのある髪も。
私よりずっと大きい手も。
「ミキ」って呼ぶ、低い声も。
ぜんぶ、いとおしい。
私の気持ちは走り出して、どんどん加速していった。
これから、急ブレーキをかけなきゃいけないことに、まだ気づいていなかった。