せめて、もう一度だけ
「美希子、俺たちの子どもだよな?」
私の顔をのぞきこむ諒は、不安げな表情で。
ぼんやりとした頭で考えたのは、遼くんのこと。
遼くんは、ケジメだからって避妊してくれてた。
諒は、夫で子どもを望んでいたんだから当たり前かもしれないけど、避妊してなかった。
遼くんとは数え切れないほど体を重ねたのに。
どうして、数少ない諒とのセックスで、子どもを授かったんだろう。
「諒、いま何時?」
「えっと、朝の9時になるとこ」
「土曜日の?」
「そう、あっ、パート先にはしばらく休むって連絡しといたから」
「えっ、なんで?」
「なんでって、そんな状態で仕事に行っても迷惑かけるだけだろ、一人の体じゃないんだから、大事にしろよ」
土日はシフトを入れていないから、平気だけど。
私がしばらく休むことを、遼くんには知られたくなかった。
「美希子、さっきの返事は?
俺との子どもだよな?
美希子が好きな男との子どもの可能性はないよな?」
諒との子どもじゃないって、嘘をつきたかった。
私が望んでいるのは、遼くんと一緒にいることだから。
でも、嘘をついても、遼くんに本当のことを言えずに苦しむだろうし、避妊していた遼くんは疑うだろう。
私は、遼くんの子どもを産みたかったのに。
私の顔をのぞきこむ諒は、不安げな表情で。
ぼんやりとした頭で考えたのは、遼くんのこと。
遼くんは、ケジメだからって避妊してくれてた。
諒は、夫で子どもを望んでいたんだから当たり前かもしれないけど、避妊してなかった。
遼くんとは数え切れないほど体を重ねたのに。
どうして、数少ない諒とのセックスで、子どもを授かったんだろう。
「諒、いま何時?」
「えっと、朝の9時になるとこ」
「土曜日の?」
「そう、あっ、パート先にはしばらく休むって連絡しといたから」
「えっ、なんで?」
「なんでって、そんな状態で仕事に行っても迷惑かけるだけだろ、一人の体じゃないんだから、大事にしろよ」
土日はシフトを入れていないから、平気だけど。
私がしばらく休むことを、遼くんには知られたくなかった。
「美希子、さっきの返事は?
俺との子どもだよな?
美希子が好きな男との子どもの可能性はないよな?」
諒との子どもじゃないって、嘘をつきたかった。
私が望んでいるのは、遼くんと一緒にいることだから。
でも、嘘をついても、遼くんに本当のことを言えずに苦しむだろうし、避妊していた遼くんは疑うだろう。
私は、遼くんの子どもを産みたかったのに。