せめて、もう一度だけ
遼くんは、私と赤ちゃんと一緒にいたいって思ってくれている。


諒はもちろん、私と赤ちゃんと3人で暮らしていくことは当然だと思ってる。



私は、遼くんが好きで。


遼くんも、私を好き。


諒は、私のどこが好きなんだろう。



もし、遼くんが別の女性との間に子どもをつくったとして。


私は、笑顔で引き取ることなんて、できそうにない。


その子は、遼くんの子どもだけど、その女性の子どもでもある。


自分に決して似ることのない子どもを育てていくことは、無理じゃないかと思う。


遼くんは、そこまで考えて覚悟してるのかな。


そして、遼くんのことを諒に話したら、どうなるんだろう。


・・・修羅場になるのが明らかだ。



遼くんのことを諦めようって決めたのに。


私の決断は、早くも揺れ動いていた。


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