せめて、もう一度だけ
まだ片づけ終わっていない荷物があって、日中ちょこちょこ段ボールを開いてはしまっていた。
すぐには使わない私の私物が入った段ボールを開いて、本やアルバムを引っ張り出した時。
本の間から、白い封筒がパサリと床に落ちた。
表を見ても、何も書いていない封筒には、封もされていなかった。
中身を出して、忘れていた感覚がよみがえった。
出てきたのは、離婚届だった。
遼くんが好きで、諒と離婚したくて、どうしようもなかった気持ち。
どうして、これを書いた時の気持ちを忘れてしまったんだろう。
遼くんと出会うきっかけになったパート先の求人チラシも、こんな風に新聞から落ちてきたんだっけ。
もしかしたら、今回もきっかけになるかもしれない。
時計を見たら、まだ朝の9時すぎ。
急げば、遼くんのところへ行っても、今日中に帰ってこれるかもしれない。
しかも、今日は月曜日。
遼くんが普段、休んでいる曜日。
私は、せきたてられるようにキャリーバッグへ荷物をつめて、普段よりも多目の現金と、普段は持ち歩かない貴重品をバッグに入れた。
これは、賭けだ。
遼くんはいないかもしれない。
もう、別の人がいるかもしれない。
せめて、もう一度だけ、遼くんに会いたい。
会って、黙って仙台へ行ってしまったことを、謝りたい。
仙台駅に着いたら、5分後に東京行の新幹線があった。
急いで切符を買い、新幹線に乗った。
すぐには使わない私の私物が入った段ボールを開いて、本やアルバムを引っ張り出した時。
本の間から、白い封筒がパサリと床に落ちた。
表を見ても、何も書いていない封筒には、封もされていなかった。
中身を出して、忘れていた感覚がよみがえった。
出てきたのは、離婚届だった。
遼くんが好きで、諒と離婚したくて、どうしようもなかった気持ち。
どうして、これを書いた時の気持ちを忘れてしまったんだろう。
遼くんと出会うきっかけになったパート先の求人チラシも、こんな風に新聞から落ちてきたんだっけ。
もしかしたら、今回もきっかけになるかもしれない。
時計を見たら、まだ朝の9時すぎ。
急げば、遼くんのところへ行っても、今日中に帰ってこれるかもしれない。
しかも、今日は月曜日。
遼くんが普段、休んでいる曜日。
私は、せきたてられるようにキャリーバッグへ荷物をつめて、普段よりも多目の現金と、普段は持ち歩かない貴重品をバッグに入れた。
これは、賭けだ。
遼くんはいないかもしれない。
もう、別の人がいるかもしれない。
せめて、もう一度だけ、遼くんに会いたい。
会って、黙って仙台へ行ってしまったことを、謝りたい。
仙台駅に着いたら、5分後に東京行の新幹線があった。
急いで切符を買い、新幹線に乗った。