せめて、もう一度だけ
「やっと、いつものミキに戻ったな」
ニヤッと笑いながら、遼くんは満足そう。
その時ふと、今まで言っていなかったことを思い出した。
「遼くん、実はね・・・私の夫も『りょう』っていうの。
ごんべんに京都の京で、『りょう』って読むんだ。
今まで何となく言えなくて」
「ふーん、で、ダンナのことは何て呼んでんの」
不機嫌な顔で遼くんは問い詰める。
「あの・・・『りょう』って呼んでる」
「じゃあ、もうダンナのことは『りょう』って呼ぶなよ」
「はい」
その瞬間、じゃあ諒のことは何で呼べばいいんだろう?って考えてしまった。
遼くんは私のおでこをデコピンしながら、
「冗談だよ、ミキが決めてくれればいいから」
って言ってくれたけど、本当は少し気にしてるんだと思う。
それから、諒に黙って出てきたことを話したら、
「いま電話して、状況を説明しろよ。
俺がそばにいるから」
そっと手をつないでくれた。
ニヤッと笑いながら、遼くんは満足そう。
その時ふと、今まで言っていなかったことを思い出した。
「遼くん、実はね・・・私の夫も『りょう』っていうの。
ごんべんに京都の京で、『りょう』って読むんだ。
今まで何となく言えなくて」
「ふーん、で、ダンナのことは何て呼んでんの」
不機嫌な顔で遼くんは問い詰める。
「あの・・・『りょう』って呼んでる」
「じゃあ、もうダンナのことは『りょう』って呼ぶなよ」
「はい」
その瞬間、じゃあ諒のことは何で呼べばいいんだろう?って考えてしまった。
遼くんは私のおでこをデコピンしながら、
「冗談だよ、ミキが決めてくれればいいから」
って言ってくれたけど、本当は少し気にしてるんだと思う。
それから、諒に黙って出てきたことを話したら、
「いま電話して、状況を説明しろよ。
俺がそばにいるから」
そっと手をつないでくれた。