ビター・アンド・スイート

ショーケースに初夏のお菓子が並べれれる。
美しい花をかたどった生菓子や、季節に必ず出される物。
買い求めやすい、お饅頭や、お団子や、大福。
お使い物に出る羊羹、もう水羊羹も並べれれている。
どれも、職人が心を込めて、作っている。

でも、やっぱり地味かな。
ショーケースの中に涼しげな水の流れをイメージした飾りや、
季節の花の飾り物を飾ってみるけど、
通路を挟んだ目の前にある
ショーケースのきらびやかな色とりどりのケーキにはかなわない。
お客様は若い女性が多いし、
店頭に並んでいる女の子達も綺麗な若い女の子が揃っている。
たまに店頭に顔を出す店長もイケメンだし、
華やかだ。

うちはバイトの木下さんは愛嬌のある可愛いタイプ、
午後にやって来るパートの川野さんは40代のおばちゃんだ、
店長は白い上着を着た、ひょろりとした印象の銀縁眼鏡の石橋さん。
後は出戻りの私だ。
やれやれ
比べるまでもない。