ビター・アンド・スイート
店が終わった後、ふたりで残ってディスプレイについてアイデアを出す事にした。
そもそも、前の夏のディスプレイって知らないので
聞く事にしたら、
「ハヅキさんが考えてくれた」と言ったので、また、ハヅキちゃん。と
ムッとした顔をしてしまうと、
「お腹でも空いたのかな?なんか軽く食べながら話す?」と聞くので、
「はい!」とちょっと機嫌を直すと、
「笑ってる方がいいよ。」と私の顔を覗くので、メガネの奥の綺麗な瞳と目があってしまい
いきなりドキドキしてきた。
私が赤くなったのに気付いたのかくすんと笑って、席を立つ。
イシバシのくせに私を笑うなんて生意気だ。
そう思ったけど、赤くなった顔はなかなか収まる気配はない。
私はおとなしく、イシバシの後を追った。
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