ビター・アンド・スイート
また、イタリアンの店でも、夏のディスプレイの話はしなかった。
口実をなくさないようにお互い気をつけるって感じだ。
今日、ふたりきりで会うのは3回目だ。
夏のディスプレイについていいかげん話さないといけないし、
そろそろ告白ってヤツをするでしょうって思って、
下着は一応、勝負下着を身につけ(イシバシに合わせた清楚系。)
胸の谷間に香水をすりこんでから、三吉屋を後にした。
今日はホテルの上のBARだ。
食事も充実してるんだよ。と言って
今日は海野さん(三吉屋のエリアマネージャー)に連れて行ってもらった店。
デートには使ってない。と笑う。
私達は仲良く並んで夜景が見える窓に向かう。
今日はやっとディスプレイについて話しながら、お酒を楽しんだ。
イシバシは何度も不自然に黙り込む。
まあ、緊張している感じも、オンナに慣れてない様子で悪くない。
確かハヅキちゃんと同い年だったから、30歳のはずだけど、
あんなところに勤めていたのでは、女の子とそう、付き合ってきた訳じゃあないのかも。
と思いながら、チェリーって訳じゃないだろうな。とちょっと横目に見る。
柔らかい笑顔。よく見ればメガネの下の瞳も切れ長で大きいし、
派手な顔立ちではないけど、整った顔をしている。
私はしびれを切らし、
「これで、ふたりで会うのは3回目だけど。
私の事ってどう思ってるのかなって思って。」とまっすぐに見ると、
慌てた顔をして、
「や、ヤヨイちゃんは三吉屋の、勤め先のおじょうさんで、4歳も年下で…
きっと、僕の事は結婚するまでのつなぎって言うか…
お見合いしたりしてもっと、ふさわしい男がそのうちに現れるって
そう思ってるんだけど…」とだんだんと下を向いてしまう。
「で?」と聞くと、
「それでも、僕はヤヨイちゃんが好きです。
ヤヨイちゃんの笑顔が好きで、少し、調子が良いところも、案外しっかりしている所も
どこも好きだって思っています。そばにいて欲しいって、
ヤヨイちゃんにも、き、きちんと僕の事を好きになって欲しいって、
いつか別れるって思わないで、
僕と付き合っていく先に、しょ、将来についても考えてみて欲しいってそう思ってます。」
とつっかえながら私の顔を見つめた。
私のことをよく見てるかも。とちょっと驚く。
「いいよ。」と私が小さい声で言うと、
「へ?」と驚いた顔をしたので、
「ちゃんと、付き合う。将来についても考える。」ともう一度言うと、
「本当に?」とイシバシは私の顔を見ると、カウンターに倒れこんで、
「き、キンチョーした。」と溜息をついた。
口実をなくさないようにお互い気をつけるって感じだ。
今日、ふたりきりで会うのは3回目だ。
夏のディスプレイについていいかげん話さないといけないし、
そろそろ告白ってヤツをするでしょうって思って、
下着は一応、勝負下着を身につけ(イシバシに合わせた清楚系。)
胸の谷間に香水をすりこんでから、三吉屋を後にした。
今日はホテルの上のBARだ。
食事も充実してるんだよ。と言って
今日は海野さん(三吉屋のエリアマネージャー)に連れて行ってもらった店。
デートには使ってない。と笑う。
私達は仲良く並んで夜景が見える窓に向かう。
今日はやっとディスプレイについて話しながら、お酒を楽しんだ。
イシバシは何度も不自然に黙り込む。
まあ、緊張している感じも、オンナに慣れてない様子で悪くない。
確かハヅキちゃんと同い年だったから、30歳のはずだけど、
あんなところに勤めていたのでは、女の子とそう、付き合ってきた訳じゃあないのかも。
と思いながら、チェリーって訳じゃないだろうな。とちょっと横目に見る。
柔らかい笑顔。よく見ればメガネの下の瞳も切れ長で大きいし、
派手な顔立ちではないけど、整った顔をしている。
私はしびれを切らし、
「これで、ふたりで会うのは3回目だけど。
私の事ってどう思ってるのかなって思って。」とまっすぐに見ると、
慌てた顔をして、
「や、ヤヨイちゃんは三吉屋の、勤め先のおじょうさんで、4歳も年下で…
きっと、僕の事は結婚するまでのつなぎって言うか…
お見合いしたりしてもっと、ふさわしい男がそのうちに現れるって
そう思ってるんだけど…」とだんだんと下を向いてしまう。
「で?」と聞くと、
「それでも、僕はヤヨイちゃんが好きです。
ヤヨイちゃんの笑顔が好きで、少し、調子が良いところも、案外しっかりしている所も
どこも好きだって思っています。そばにいて欲しいって、
ヤヨイちゃんにも、き、きちんと僕の事を好きになって欲しいって、
いつか別れるって思わないで、
僕と付き合っていく先に、しょ、将来についても考えてみて欲しいってそう思ってます。」
とつっかえながら私の顔を見つめた。
私のことをよく見てるかも。とちょっと驚く。
「いいよ。」と私が小さい声で言うと、
「へ?」と驚いた顔をしたので、
「ちゃんと、付き合う。将来についても考える。」ともう一度言うと、
「本当に?」とイシバシは私の顔を見ると、カウンターに倒れこんで、
「き、キンチョーした。」と溜息をついた。