ビター・アンド・スイート
私達は顔を見合わせ、よかった。とそれぞれ口にする。
「いただいても良いですか?」と美咲さんがお客様用にと食卓に出されたどら焼きを見る。
母がどうぞと笑うと、嬉しそうに口にして、
「美味しい。美味しいですね。」と2度言った。風間さんが
「妻が2度美味しいって、言う時は信用出来ます。」と笑って、どら焼きに手を伸ばして、
「うまいですね。アンも皮も上品だ。」と美味しそうにどら焼きを食べた。
うん。
良い人達と知り合った。
才能のあるパティシエ。その妻。
パティシエの才能を支える男。
そう思って、私も嬉しくなった。
「で、話がもう1つあるんじゃないのか?」と父が、シロタさんの顔を見る。
シロタさんは改まって、
「ハヅキさんが、去年の終わりに離婚したと言うのは聞きました。
僕も、お付き合いをしたいと言い出すのは、
もう少し、待った方が良いのではないかとも思ったんですが、
どうやら、ライバルいそうなので、先にご家族に挨拶を。と思って。」とにっこりした。
私は顔が上げられない。
「ライバル?」とヤヨイが面白そうに聞く。
「フロアマネージャーの工藤さんが、食事に誘ってると噂にきいています。」
こら、と私はシロタさんを睨む。
「ハヅキちゃん、モテモテじゃん。」とヤヨイがクスクス笑う。
「お父さん、私はどちらの方ともお付き合いはしていません。」と言うと、
「少し、フライングでしたね。」とシロタさんは私の顔を見る。
「今日は、これで、失礼いたします。
お口添えいただくける件に関しては、6代目のご都合の良い日におよびつけください。」
とシロタさんはニコリと笑って席を立った。おじいちゃんは
「明日11時。店に来てくれ。」と声をかける。
「よろしくお願いします。」と、3人はもう1度座って、深くおじいちゃんに頭を下げた。
よかった。
「いただいても良いですか?」と美咲さんがお客様用にと食卓に出されたどら焼きを見る。
母がどうぞと笑うと、嬉しそうに口にして、
「美味しい。美味しいですね。」と2度言った。風間さんが
「妻が2度美味しいって、言う時は信用出来ます。」と笑って、どら焼きに手を伸ばして、
「うまいですね。アンも皮も上品だ。」と美味しそうにどら焼きを食べた。
うん。
良い人達と知り合った。
才能のあるパティシエ。その妻。
パティシエの才能を支える男。
そう思って、私も嬉しくなった。
「で、話がもう1つあるんじゃないのか?」と父が、シロタさんの顔を見る。
シロタさんは改まって、
「ハヅキさんが、去年の終わりに離婚したと言うのは聞きました。
僕も、お付き合いをしたいと言い出すのは、
もう少し、待った方が良いのではないかとも思ったんですが、
どうやら、ライバルいそうなので、先にご家族に挨拶を。と思って。」とにっこりした。
私は顔が上げられない。
「ライバル?」とヤヨイが面白そうに聞く。
「フロアマネージャーの工藤さんが、食事に誘ってると噂にきいています。」
こら、と私はシロタさんを睨む。
「ハヅキちゃん、モテモテじゃん。」とヤヨイがクスクス笑う。
「お父さん、私はどちらの方ともお付き合いはしていません。」と言うと、
「少し、フライングでしたね。」とシロタさんは私の顔を見る。
「今日は、これで、失礼いたします。
お口添えいただくける件に関しては、6代目のご都合の良い日におよびつけください。」
とシロタさんはニコリと笑って席を立った。おじいちゃんは
「明日11時。店に来てくれ。」と声をかける。
「よろしくお願いします。」と、3人はもう1度座って、深くおじいちゃんに頭を下げた。
よかった。