ビター・アンド・スイート
新しい仕事。
翌朝、2階の食堂で家族みんなで食卓を囲む。
(おじいちゃんと父は本日使うアンコを炊き終わっている。)
「ハヅキ、ここで遊んでる訳にもいかないだろ。
うちの仕事を手伝いなさい。」と祖母が口を開く。
「えー?和菓子のことなんて、何にも知らないし。」と私が言うと、
「いい機会だから、支店を任せられるようになりなさい。」と私の顔を見る。
「は?無理無理。何言ってるの?」と私が茶碗を置くと、
「ハヅキ、これからはおまえ1人で生きていかなきゃいけないんだから、
支店の仕事を覚えて、1人前になりなさい。」と母も私の顔を見る。
「他に仕事を探してもいいでしょう。」と私が怒った顔をみせると、
「みんな心配してるんだ。ここにいれば辛い目に合わなくて済む。」と父が口を出す。
それって、もう、家族の間で決まったこと?
口に出せずに、下を向く。
「…わかった。」と顔を上げると、
「とりあえず、明日からデパートの下の販売を勉強しなさい。」と祖母が笑った。
「はい。」と返事をすると、
「ハヅキちゃん、和菓子屋やるんだ。」と感心したようにヤヨイが私の顔をみた。
今の私に仕事を選ぶ自由はない。
そう思って、ヤヨイに微笑み返した。
(おじいちゃんと父は本日使うアンコを炊き終わっている。)
「ハヅキ、ここで遊んでる訳にもいかないだろ。
うちの仕事を手伝いなさい。」と祖母が口を開く。
「えー?和菓子のことなんて、何にも知らないし。」と私が言うと、
「いい機会だから、支店を任せられるようになりなさい。」と私の顔を見る。
「は?無理無理。何言ってるの?」と私が茶碗を置くと、
「ハヅキ、これからはおまえ1人で生きていかなきゃいけないんだから、
支店の仕事を覚えて、1人前になりなさい。」と母も私の顔を見る。
「他に仕事を探してもいいでしょう。」と私が怒った顔をみせると、
「みんな心配してるんだ。ここにいれば辛い目に合わなくて済む。」と父が口を出す。
それって、もう、家族の間で決まったこと?
口に出せずに、下を向く。
「…わかった。」と顔を上げると、
「とりあえず、明日からデパートの下の販売を勉強しなさい。」と祖母が笑った。
「はい。」と返事をすると、
「ハヅキちゃん、和菓子屋やるんだ。」と感心したようにヤヨイが私の顔をみた。
今の私に仕事を選ぶ自由はない。
そう思って、ヤヨイに微笑み返した。