ビター・アンド・スイート
朝の光が射し込んでくる。
眩しい。今日も暑くなりそうだ。
私はリョウの身体の上で眠っていたみたいだ。
リョウの裸の胸にちょっと驚く。
少しエアコンの効いた部屋は朝方涼しい。
私が身動きすると、リョウの腕が絡み付いてくる。
「シャワー浴びたい。」と言うと、頭のテッペンにキスをしてから、腕をゆるめた。
「俺も一緒に浴びる。」と起き上がって、ベットに座り、私を抱き起こす。
ものすごく身体がだるい。
リョウに寄りかかってから、起き上がる。
「もう1回する?」とリョウは私の顔を覗く。
昨日、結局食事もとらずに抱き合って、倒れるように眠ったはずですけど?
「しません。」とちょっと睨むと、
「その顔は誘ってるな。」とリョウは唇にチュっとキスをしてから、
ボンヤリしている私を抱き上げて、バスルームに運ぶ。

「もう、出来ません。ってば。」と小声で呟く。
シャワーを浴びながら、リョウのくちづけを受ける。
リョウは私の身体を洗うフリで
あちこち刺激してくる。
私は何も考えられなくなる。
シャワーから、出ても、
「ハヅキ、モウイッカイシタイ。」
と耳元で囁きながら、首筋を吸ったり舌を這わせたりする。
降参だ。
「吸血鬼。」と
私が首に手を回すと、
リョウは笑って、ベットに私を運んだ。


「ねえ、部屋、キレイに片付いている。」と私は顔をしかめる。
リョウの部屋は結構片付いている。明るくなったら、よく分かった。
「バレた?すぐにバレるのは嘘って言わないだろ。」と私の瞳を覗く。
昨日、灯りもつけなかっとのはそのせいか。とちょっと思う。
「ハヅキ、愛してる。」と耳元で囁く
「それも嘘?」と聞くと
「それは本当。
すぐにバレる。
俺がハヅキを愛してるのは、
一緒にいればすぐにわかるよ。」と笑いかける。
そんな事、眩しい笑顔で言われたら、ちっとも怒れないじゃないか。
私はくすんと笑ってしまう。

明るい陽射しの中でもう1度ゆっくり抱き合う。
リョウが私に優しく微笑みかけてくる。
私もリョウに微笑んでみせた。


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