ビター・アンド・スイート
「ハヅキ。」と声をかけられ、目を覚ますとリョウの顔が目の前にあった。
ちょっと驚いたけど、嬉しくなって手を伸ばすと、
「俺のベットで、ハヅキが寝てるって幸せかも。」と掌にくちづけするので、
「お安い幸せかな。」とくすんと笑うと、深く唇を重ねて、私の上に覆い被さってくる。
「えーと、洗濯物乾いてるかも。」と言ったけど、
「あとで。」と服を脱がせる。部屋着は柔らかく、スルリと脱がされてしまう。
困ったオトコだ。
まだ、足りないの?という心の声が聞こえたみたいに、
「全然、足りない。」と呟きながら自分の服も脱ぎ捨てた。


リョウは今日も私を強く求めてくる。
「俺がどれだけハヅキを求めているか、知ってくれ。」と
強くだきしめてくる。
嬉しいけど、こんな風には暮らせないでしょ。
お互い仕事があるんだから。
そう思ったけど、
私も夢中で、リョウを求めてしまう。

困ったね。
また、さらわれていくような深い快楽がやってくる。

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