ビター・アンド・スイート
「ハヅキ、俺のこと好き?」と帰りの車に乗り込んだ時、ちょっと顔を覗くので、
「もちろん、好きですよ。」とキチンと見つめると、
「よかった。気の迷いじゃあないよな。」と確認するので、
「迷ってません。どうしたんですか?」と笑いかけると、
「俺はハヅキが好きになりすぎてて、一緒にいるだけで嬉しくて、
ハヅキの迷いや悩みが見えてない。って思う。
ハヅキが思った事は口に出して。
そうしないと、すれ違いそうだ。」と心配そうな顔をみせる。
「迷ってないし、悩んでません。
強いて言えば、こんなに一緒にいたので、
離れるのがちょっと、寂しいです。」
とリョウのシャツの前を掴んで引き寄せ、深く唇をつけると、
リョウも私の頭を抱き寄せて、長いくちづけになった。

「俺の部屋に戻る?」とリョウが笑いかけるので、
「戻りません。」とすました顔を作ると、
リョウはクスクス笑って、車を発進させた。

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