ビター・アンド・スイート
母が戻ってきて、父は寝てしまったと笑った。
リョウは座り直して、母と向き合う。
「城田さんの申し出はわかりました。
ハヅキとすぐにでも一緒に暮らしたい。って事よね。
きっと、時間を置けば、お父さんも考えられようになると思うの。
もう少し、時間をあげてね。」と私達の顔を見た。リョウは真面目な顔で
「僕はハヅキさんとの結婚を考えています。
もちろん、ハヅキさんの気持ちが固まるのを待つつもりですが、
僕は仕事が忙しくて、朝や、夜遅くじゃないと、ゆっくり話も出来ない状況です。
本当はもう少し時間に余裕が出来てから、女性と付き合った方がいいのでしょうが、
僕はハヅキさんに出会ってどんどん惹かれてしまいました。
僕にとってハヅキさんは大切な存在だと、知っていくほどに感じています。
これからもこの出会いを大切にしていきたいです。
お互いの事をよく知り合って、今後につなげたいと思っています。」
と、お母さんに話した。
リョウが随分と真面目な顔だったので、家族は静かに聞いていて、
冷やかしもしない。
ちょっと、恥ずかしく、それでも、心が暖かくなった。
母は
「わかりました。主人に伝えます。」とにっこり微笑んだ。
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