ビター・アンド・スイート
「一緒にシャワー浴びる?」とリョウが聞くので、うなずくと、
私の手を引いてバスルームに向かう。
「なにこれ?」と浴槽の蓋の上にちょこんと包みが置いてある。
「そういえば、ヤヨイがバスルーム覗いてた。」と包みを手に取ると、バブルバスの丸い塊だ。
リョウが「へえ。」と言うので
「せっかくだから、使ってみる?」と聞くと、
「早くベットに行きたいんですけど。」と不満げな声を出す。
「コーヒー淹れたでしょ。」と言うと、チェっと言いながら首筋にキスをする。
塊を砕いてお湯を入れ、リビングに手を繋いで戻る。
ソファーに並んで座り、何度かくちづけしながらコーヒーを飲む。
浴槽にお湯が張られたアナウンスが流れたので、
リョウは私の服を脱がせながら、バスルームに向かう。

バスルームは柑橘系のいい匂いだ。浴槽から泡が溢れそうになっている。
「俺、こーいうの初めてかも。」とクスクス笑うリョウと
シャワーを浴びて一緒に浴槽に沈み込む。泡がふわふわで気持ちいいい。
リョウは私の身体を手の平で撫で、後ろから抱きしめてくる。
うん。泡で身体が隠れてあんまり恥ずかしくないかな。
リョウは熱心に私の身体を探り、くちづけしてくる。
「ここでするのは初めてだけどクセになりそうだな。」と笑ってゆっくり繋げてきた。
私の口から、甘い声が出る。
「…のぼせる。」と私が呟くと、
「俺は短くするのも上手いよ。」と笑った声を出して、熱心に私の腰を抱いた。

シャワーで泡を落として、リョウは私の身体をバスタオルで包んで、抱き上げる。
私をベットに運んで、ゆっくり横たえ、
「絶対、離さない。」と私を見つめて、深くくちづけをした。
私は目を閉じリョウの背中に手をまわす。

そうして、私達の同棲生活は始まった。
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