ビター・アンド・スイート
週末、突然駅前のスパに行くことになったと、リョウに告げると、
「ゆっくりおしゃべりしておいで。
夜に迎えに行くから、三吉屋にいていいよ。」と笑ってくれた。
まあ、いつも母や祖母がいるので
遠慮のないおしゃべりは久しぶりだ。

朝、三吉屋に行くと、嬉しそうにバッグをもった、スズカさんと、
起きたてという雰囲気のヤヨイが待っていた。
兄がタイチ君を抱っこして、ちょっと不安げな顔をしているが、
「奥さんが嬉しそうにしてくれるんなら、
お留守番なんて、いくらでもできそうよねえ。」とヤヨイにジロリとみられ、
「ここなら、母さんもばあちゃんもいるから、大丈夫…だと思う。」と笑ってみせた。
「ゆっくりしておいで。」とお母さんがスズカさんに笑いかけ、
「よろしくお願いします。お昼には戻ります。」とスズカさんが笑って、頭をさげた。
「頑張って、パパ。」と私が言うと、
「はいはい。男同士仲良くしような。」
と嬉しそうにタイチ君に笑いかけて、私達に手を振った。




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