ビター・アンド・スイート
「ナオト、生まれた子はあなたの子供よ。
誰だって男の人は自分の子供だって、わからないじゃない。
DNA鑑定でもしないと、女の人は全員信じてもらえないの?
自分の子どもじゃないと受け入れないの?
たとえば、はじめから自分の子供じゃない、連れ子どうなの?
ナオトは自分の子供として愛せないの?
いい加減、自分の選んだものには責任を持つって事を覚えて。
私の時は愛しきれなかったんだから、今度はきちんと愛してあげて。
ご両親からも守ってあげて。」

なんでこんな事を言っているんだろう。
馬鹿みたいだ。
もう、関係ないオトコなのに。
私は深いため息が出る。


「久しぶりにハヅキに怒られちゃったな。
ハヅキの融通のきかない正しさから
他の女に逃げたのに、
やっぱり好きなんだな。
だから、たまに怒られたくなるのかなあ。」とナオトは呟く。

ナオトを
私が息苦しくさせていたのはきっと本当にだろう。
と、ちょっと心が痛い。
まあ、浮気は決して許せないけど…。
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