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4章 蒼介Side
蒼介Side

まりあの部屋には、
監視カメラを付けている。


本人には教えていない。

カメラの画像は
僕と友のスマホで
いつでも見られるように
設定してある。





それにしても
今日は外来患者さんの数が多い。


まりあの様子を
なかなかチェックする間もない。


さっきから何度も
スマホにコールをしているようだか、
診察中に出てやれなくて心配だった。





11:30にやっと画像を見れた


????
まりあがいない
???????


僕は、看護師さんに
簡単に事情を話して、
15分だけ外来の診察を
とめてもらうことにして
3階に急いで向かった。





蒼介「まりあ、まりあ。
どこにいる?まりあ」


僕の方がパニックだ。


蒼介「まりあ、どうした?
ここで何してるの?」


よかった、
外に飛び出してしまわなくて。





リビングのソファーの脇で
ぐったりしている
まりあを見つけた。



まりあ「蒼兄ちゃん、お腹が痛いよ。
どうして何度もコールしたのに
来てくれなかったの?
どうしてなの?」



蒼介「ごめん。本当にごめん。
お腹が痛いのか?」


まりあ「お腹が痛いよぉ」



テーブルの上には、
アイスやらチョコレートやら
お菓子の食べ残りが散乱している。


蒼介「これ全部食べたの?」



まりあ「暑かったから
アイス食べたかったんだぁ」



蒼介「アイスじゃないのも
食べてるよねぇ?」


まりあ「だってしょうがないじゃん」



蒼介「今日はいつもより
患者さんの数が多くて、
見にこれなかったんだよ。
お腹痛いの みてあげるから
ベッド行こう。
立てる?」


まりあ「立てない」


蒼介「抱っこしてあげるから、
ベッドに戻ろう」


お姫様抱っこをして、
まりあをベッドに戻した。







今日はおとなしくしているだろう
と思って、
部屋の外から鍵をかけなかった。

甘かった。

まりあは何をするかわからない
ところがある。






蒼介「お腹、押すよ。膝を立てて、
力抜いて。
痛いところを教えて」


まりあ「痛い、そこ」


胃が痛いのかと思ったが、
まりあが痛いと言ったのは
直腸だった。


便秘だ。



蒼介「まりあ、これ病気じゃないから
多分ほっといても治る。
悪いけど、
外来戻らないといけないから、
このまま午後の休憩時間まで
様子見させて」


まりあ「えっ?」


蒼介「患者さんに待っててもらってるから、まりあは後」


まりあ「そんなこと言うなら、
もうあたしイヤ。
点滴なんてやめる。
蒼兄ちゃんにそばにいて
欲しいだけなのに」


蒼介「後で必ず来るから。
点滴 とったらダメだよ」






そこでスマホが鳴った。 友からだ。



友「兄貴、まりあどうかした?
小児科が大変なことになってるらしい。
俺の方の外来もう終わるから、
まりあの方なら見れるけど」


蒼介「頼む。早く戻らないとまずいんだ」


友「わかった。すぐ交代できるから」


蒼介「頼む」




蒼介「まりあ、友が来てくれるって。
友にそばにいてもらいな」


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