キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉



「脈ありよぉぉ…!!!! それは絶対脈ありなのよぉぉぉぉ!!!!」


安堂くんとのことを逐一報告しろと命じられ、あたしはなべっちにしどろもどろに報告した。


「あの安堂くんよ!? 女子を寄せつけないオーラのある…、いやっ、表面的には近寄れるけど、一歩奥に踏み込めないっていう安堂くんから勉強教わるのよ!?」


なべっちが顔の前で指を掛け合わせ、天井を見つめている。

その視線の先に何があるのかと探しながら、言葉を挟んだ。


「いや、だからそれは…」

「あるのっ!だって安堂くん、浮いた話ないんだよ!?」


なべっちが鬼の形相で言った。

だ、だってそれは…!


(先生と付き合ってたからぁぁー…!!!)


なんて、全てを言えない現実は、とても辛い。

期待する友の隣、あたしは苦笑いを浮かべるしかなかった。

安堂くんとの勉強会は2月1日から始まることに決まっていた。






いざ、その日がやってくると、何だかとてつもない緊張感に襲われた。

その時は突然のことに驚いて、簡単に考えていたけど、冷静になれば冷静になるほど……。


(家で勉強だなんて聞いてない…っ!!!)


安堂くんに連れられて、再び高級マンションの一室にお邪魔していた。


『家も近いし、ここだと誰にも見られないから。それに前にも来たし』


と、安堂くんはひょうひょうと言ったけど…。


(あの時は8割方勢いだったんだってば~~~~!!!!)


シラフの状態ではキツい。

椅子に座ったはいいけど、太ももガクガクしてるし。

隣には、なぜか一緒に寝てたベッドがあるし、それにそれにそれに…!

二人きりなのだ。

家に、若い男女が二人きり!


(もうなにが何だか……)


「小林、ちゃんと聞いてる?」



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