キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉
09.お守りとヤキモチ。
『あ、あ、あそこ!?!?』
『うん。あそこならドライヤーとかで少しは乾かせるかも』
『ドドドドドド……!!??』
『それに小林、生きた化石から卒業したいんでしょ?』
『………カッ…!!』
化石候補、卒業…!!??
(それは是非とも……)
そっと、隣に立つ安堂くんを盗み見た。
何でこの男は、こんな会話をしつつもひょうひょうとしていられんだ。
『恥かかせないよ?』
安堂くんはにこりと笑って、あたしに言う。
(恥!? やっぱり化石って恥なの!?)
でも、初めては…、そういうことは、みんな好きな人とするもんなんじゃ…!!
『どうする?』
(ど、ど、どうする!?!?)
だって、初めては…、えっちは…、安堂くんなら、安堂くんなら……?
びしょ濡れのスカートを握りしめた。
『安堂くん、あたし……っ』
安堂くんに……、
『お、おね…っ』
(お願いします…っ!!!)
『なーんて、ね』
…………………………へっ!?
『あーゆーとこ、制服じゃ無理だよ。補導されちゃう』
『えっ!!??』
『行くも何も最初から入れないの。残念だったね』
『………………ざ…』
(残念だとぉぉぉ~~~~~!!??)
決めた覚悟がポロリと取れる。
安堂くんはポカンとしたあたしを鼻で笑い、口を開いた。
『小林、俺とならそーゆーことしてもいいって思ったんだ?』
ボンッ!!!
頭から湯気が出る勢いだった。
(安堂くんの意地悪~~~~!!!!)