キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉



「なんか、目が痛い」

「!」


安堂くんの言葉に、瞑っていた目がパカリと開いた。


「さっきから電気が反射してチカチカしてる」


頷いて、安堂くんが目を擦る。

慌ててゴシゴシと手の甲で拭いた。


(こ、これは失敗だった…!)


「それに、なんか今日、ちょっと服装ちがう…?」


その言葉にドキリとした。

安堂くんが気付いてくれた。

あたしの変化に気付いてくれた。


(グロスは失敗しちゃったけど…)


まだ、作戦は残ってる。

いつもとは違うドキドキが胸に押し寄せていた。

短めのスカートとか、大人っぽい巻き髪とか、先まで気合いの入ったツヤツヤの爪とか、その全部に気付いて欲しい。


全部、安堂くんのためだよ、って、

安堂くんのことが好きなの、って、

……気付いて欲しい。


「ど、どうかな?安堂くん的に」


少しは可愛いって、思ってくれてる…?


「――変。」

「……!!!」


しかし、予想と理想に反して、安堂くんが真正面から言い切った。

へ、へ、へ……。


「変…!?」

「うん。全然似合ってない」

「……っ!!!」


聞き返しても、安堂くんは遠慮なかった。

しれっとした顔で、頬杖をついたまま。


「ちょっと面白いから黙ってたけど、それ誰の提案?だいたい予想はつくけど、小林とあの子は違うでしょ」


それはつまり。

あたしにはナッチみたいな胸がないって?

色気がないって!?



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