キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉
今日は、久々に会えるということ以外にも大切な任務があった。
さりげなく、安堂くんに聞く。
丸と四角だったら、どっちが好きか、聞く!
「丸か…四角…?」
「そう、丸か四角!」
「……なんで」
「な、なんでも!」
あたしの質問に安堂くんは少し意地悪な表情を浮かべた。
抱いていたクッションを力いっぱい抱きしめて、顔を合わせているとその瞳に心の中を読まれてしまいそうだったので、ギュッと俯いた。
すると、安堂くんは言う。
「……四角?」
「!!」
やはり四角か。
あたしもそうだと思ってたんだ。
だって、シンプルな中に隠されたクールさが、安堂くんに似合うって思っていたんだもん!
「ねぇ、これって何の質問?」
「な、なんでもないよっ!ほら、早くDVDみよっ!」
クッションを抱いたまま、安堂くんと一緒にDVDを見ることになった。
とは言っても、この触れそうで触れない腕の位置に、あたしは一人ドキドキしていた。
クッションを抱き、ソファーの上に体操座りをした状態で、隣の安堂くんを盗み見みする。
やっぱり今日も、あのピアスをしている。
何も飾りっ気のない、丸い小さなピアス。
くすんで灰色になってる。
「……なに?」
視線に気付いて、安堂くんがこちらを見た。
「ななななななんでもないよっ」
慌てて手を振った。
見つめていたことがバレてしまった。
「なにかあるって顔に書いてるよ?」
安堂くんがあたしの顔を覗き込むように近づいてきた。
「ちょ、や、あ…っ、――――!」
ちょん、と唇が、触れた。
目の前に、安堂くんの、顔。
その茶色の瞳があたしを見つめている。