キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉



「だから、女子が寄ってたかってお弁当作ります~!って群がってんじゃん。はぁー、それにしてもあげた女子って誰だろ~!? 今、安堂くんに1番近い子なのかなぁ」

「………、」


その話を知ってれば、もう少しマシなお弁当を作ったのに。


(ズルして冷食ばっかだったし。ウインナーも焦げちゃったし)


卵焼きだって…。

お弁当の受け取り場所は、またまた屋上だった。

放課後、屋上。

少女マンガ的には、結構憧れの場所。シチュエーション。

放課後、安堂くんが教室を出たのを見計らってから、教室を出た。

安堂くんが廊下を歩けば、そこにいる女子は全員が振り返る。

ファンの子なら、廊下まで出てくる。


(フェロモン、出てるのかな…)


試しにクンクンと嗅いでみた。

廊下は女子の香水やお菓子のにおい、その他諸々、…色んな匂いがした。

そんなことをしつつ、安堂くんから十二分に距離を保ちながら、その姿を追っていた。

途中でふいに早足になって、誰にも見つからずに屋上の階段を登った。

安堂くんがそんなことをするなんて…、ちょっと意外だった。


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