キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉
18.初めてと2回目。
気合いは十分だ。
この前買った勝負下着を着用済みだし、ムダ毛処理も完璧。
今日はムーディなネイルカラーにしたし、短すぎるスカートはやめた。
安堂くんは一緒に勉強しようって言ったけど、それはすなわち、病室での約束を果たそうって意味だと思う。
付き合って、4か月目前。
ナッチから言わせてみれば、よくここまで長引かせたもんだって、安堂くんを憐れんでいた。
それも全て、あたしがそういう雰囲気を作ってあげなかったからだと。
……ほんとにそうなのだろうか。
しつこいようだけど、安堂くんの元カノは美坂先生だ。
美人で、大人な、女性だ。
そういう人と3年付き合っていたのなら、考えたくはないけれど、きっとそういう経験だってあったと思う。
…いいの。
今はもう、ちゃんと過去だって清算出来てる。
納得してる。
……うそ。
本当は散々悩んで、考え抜いた。
消せない過去だって分かっていても、やっぱり嫉妬した。
だけど嫉妬からは何も生まれない。
作り出せるのは未来であって、過去じゃない。
安堂くんの未来を、あたしも一緒に作っていく。
それしかないのだと、あたしは自分に言い聞かせた。
だから今まで、安堂くんはそういうことをしようと思えば、いつだって、ロマンチックに強引に、あたしをその世界へ連れていくことができたと思う。
だけどそういうことがなかったのは、安堂くんの優しさだったのかな、とプラスに考えた。
あたしにそういう魅力がないからだとは、考えないようにした。
確かに、泣き虫でわからず屋で、いつも安堂くんを困らせてばかりだけど。
優しい安堂くんに頼ってばかりだけど、でもこの気持ちだけは誰にも負けない。
安堂くんが好き。
誰よりも大切にしたいと思っている。
それはもちろん、自分よりも。