キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉
この前の失敗で、ようやく気付いた。
あたしが求めようとしていることが、イコールで安堂くんの求めることに繋がっているんじゃないんだと。
何事も程ほどが肝心。
ダイエットも、秘密のバイトも。
困らせたんじゃ、意味がない。
「いらっしゃい」
いつものように玄関先で、出迎えてくれた。
心臓は破裂しそうなくらいに高鳴っているけど、頭はやけに冷静だ。
ちなみにいうと、体重もあの後1週間で3キロ戻った。
安堂くんに、そっちの方がいいと言ってもらえたので、それに甘えさせてもらうことにした。
だけどあれ以来、ストレッチは怠っていない。
綺麗に痩せる方法を見つけようと思っている。
「お邪魔します」
「いつものことだけど、親父はいないよ」
その言葉一つに、ドキリとしてしまうって安堂くんは気づいているのかしら。
まるで今の発言が
『だから今日は覚悟しててね』
のシグナルのように感じた。
緊張するな、あたしの心。
沈まれ、鼓動!