キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉
男の子なのに綺麗な字で、付き合う前は「嫌味か!」と思った。
だけど今ではそれさえも安堂くんを形成する素敵な要因。
まぁ確かに、家についてすぐさま、しかもリビングで初えっち、だなんて雰囲気がなさすぎる。
17、8の男子高校生って言ったら、盛りのついた狼だと雑誌で読んだけど、安堂くんは違う。
どうして違うのかという、浮かんでくる答えは考えないことにする。
きっと大切にしてくれてるからだ、って、ことにする。
じゃないとあたし、またまた地の果てまで落ちて行きそうだ。
「で、答えが出てくる。分かった?」
魔法みたいに解かれていく数式を、あたしはただ瞳で追っていただけだった。
「分かった。やっぱり安堂くんってすごいね」
「ほんとに分かってる?上の空だったみただいけど」
バレてる。
全然違うこと考えてたってバレてる?
乙女の方がえっち思考。
恥ずかしくて、顔、上げられない。
「まぁ、確かにこんな天気がいい日に家の中でべんきょーってのもつまんないしね」
窓の外、晴れ渡る空を見上げて安堂くんが言った。