キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉
煙草を買って、紫煙を吐き出して。
テキトーに飯を食ったら、そこで女に声を掛けられた。
たいてい、一人でいれば声をかけられる。
お金はないけど遊んで、と言われた。
ホテルとかじゃなくていいから、どっかトイレでしよーよ、と言われた。
金は持っていたけど、それは言わなかった。
いーよ、と返事をして、路地の隙間でした。
気持ちよかったと言われたけど、俺は一度もそういう感情を感じたことがなかった。
誰としても、誰といても、何も感じない。
気付けば夜も10時を回っていた。
家を出たのが5時過ぎ。
さすがにあの女も帰っているだろう。
……帰っていて欲しい。
『しつこいんだからこんなんじゃ絶対に負けないよ?』
その言葉を思い出して、その日は帰るのをやめた。
それからまた別の女に声をかけられて、今度はおごるからホテルに行こうと言われた。
俺はそれに頷いた。
ほんと、全てが、どーでもいい。