キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉
次の日。
気がつけばまた昼前になっていて、暑さに顔を歪めながら、家に帰った。
「…あ!帰ってきた」
「……………、」
今、世界中で一番会いたくない奴が家の前にいた。
「昨日はどこに行ってたの!? 夜まで待ってたのに、帰ってこないんだもん!」
やっぱりいた。
昨日、帰ってきていたら、面倒なことになっていた。
いや、今も十分面倒だ。
何なんだよ、この女。
「…俺、言わなかった?金だけもらって顔出すな、って」
「あたしはそんなことしません!」
鍵を開けて家に入ると、なぜかこの女もついてくる。
「ついてくんなよ」
「そうはいきません!」
いちいち、語尾を荒げる女だ。
うるさい。
頭、ガンガンするってのによ。
「じゃ、俺が出てくからいーよ」
「だめです!!!」
「…………っ」
イラッとした。
今度は俺の前、両手を広げて玄関を封じている。
「……どいて」
女の顔は見ず、低い声で言った。
「嫌です!」
それでもこの女はそこをどこうとはしない。
「あたしは何が何でもちゃんと家庭教師をします!言ったでしょ!? しつこいって!何があってもあたしは……っ」
勇んでいる女の手を取って、そのまま玄関に押し付けた。
悲鳴を上げさせる隙も与えず、その口を塞いだ。
片方の手では、胸を触った。
足は下肢の間に擦りこませた。
うるさい。
ウザい。
マジでどっかに消えろよ。
肌に触れた。
たいていの女はこれで足を開く。
どうせこの女も一緒だろ。
その瞬間に飛んできた。
左頬に、平手打ち。