キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉
軽い男じゃないって思ってたのに、やっぱりただの尻がる男!
「ちょっと、チェリーちゃーん。怒らないでよ~」
「怒りたくもなるでしょ!さっき、あたしに何をした!? こんな公衆面前で!」
レジに向かいながら、振り返って訴えた。
「え~?肩に手を回しただけでしょー?」
「そのあとよっ!」
「ほっぺにちゅっ、って」
「ちゅっ!? あんたの中であれがちゅっ!? ぶちゅっ、だったでしょ!?」
「チェリーちゃんのほっぺ、ぷくぷくで可愛かったから」
「悪かったわね!太ってて!!!」
こっちは全身で怒ってるのに、桜田くんは全然聞いてない。
むしろ楽しそうに笑うだけで、反省の色もない。
何で突然、こんなことしてくるの!?
なぜかこっちが真っ赤になって、奥歯を噛みながら桜田くんを見据えていた。
「だってほら。チェリーちゃん、可愛いんだもん。俺、そろそろ限界」
「何ベタベタしてんのよ!!」
レジを待ちながら、桜田嵐があたしの肩を抱く。
「ちょっと!! ホントにどうしちゃったの!?」
「そーゆーツレないとこもいいわけですよー。逃げられると追いたくなるっていう野生本能?」
「やめてっ…!!」
声にならない声で叫んだ。
本屋では騒いではいけない。
これは覆せない社会のルールでしょ!?
それをいいことに、桜田嵐は付け込んでくる。
…ベタベタと。
(やめてくれぇぇぇぇ…!!!)
あたしの頭に頬を寄せる桜田嵐に、パクパクと口を開けた。