キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉

***


チェリーちゃんが全身で怒りながら、道を歩いていく。

後ろ姿だけでも、怒ってるって丸わかり。

そんな後ろ姿を見つめて、俺はクスッと笑った。

それを確認して、俺は本屋へと振り返る。

チェリーちゃんは見間違いだって思ったみたいだけど、その姿は確かにあった。

チェリーちゃんが参考書を開きながら、あーだこーだと説明している時に、ふいに視線もかち合った。

フッ、と鼻で笑ってやった。

あとは見せつけるようにチェリーちゃんの肩を抱いた。

最初はアンドーに見せつけるためだったけど、途中からチェリーちゃんの反応が可愛くて意地悪したくなった。

全身で感情を表現する。

怒ったり泣いたり、忙しい女の子だ。

結局のところ、アンドーの今は知らない。

センセーと付き合ってるのか、今もまだチェリーちゃんのことが好きなのか。

でも、そんなこと、関係ない。

中途半端な気持ちなら、このままフェードアウトしてほしい。

傷つけないでほしいって思うんだ。

なんでこんなこと思うのか、自分でも分からない、けど。


***

< 323 / 352 >

この作品をシェア

pagetop